私が泉くんと出会ったのは大学だから、それまでの泉くんのことは当然知らない。

考えれば考えるほど、知りたくて仕方なくなる。


学ラン姿の泉くんが見たいとか、どんな高校生だったのかなとか。とにかく色々。



(…あ。そうだ。)



そこで私はひらめいた。高校行ってるんだから当然持ってるはず。まさかあれを捨てたなんてことはないだろうし。


ほら、あれだよあれ。あのー個人写真とかクラスの集合写真とか学級の授業中の風景とか色々載ってるあれ。




そう、卒業アルバム!


泉くんも絶対持ってるはずだし、あれなら学ラン姿の泉くんをこの目で拝むことができるだろう。

早速帰り道で聞いてみようとワクワクし始めると共に頬が緩みきってにやけている私を、梓は不審な目で見ていたのは言うまでもない。




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そして、帰宅途中。私は隣を歩く泉くんを見上げて口を開く。


「泉くん、卒アル見せて。」