「……しかし、だとしたら、何処に隠すだろう?」
 呟きながら視線をウロウロとさせます。シックス君の表情には、色々な意味の焦りが浮かんでいました。


 今、たった今もプー姫の命が危ない。
 そう考えてしまうと、どんどん焦りが酷くなっていきます。
 その時です。
 シックス君の頭の中に、プー姫の栗色の綺麗な髪と、紫色の綺麗なリボンが思い浮かびました。


(――!)
 シックス君が閃いた事。


 それは――
「王家の人間しか使用できない物、息女のみなら尚更リボンの置き場所しかない!」
 シックス君はさっき下着ドロと変身していましたので、当然リボンの置き場所も知っています。ただ、紫色のリボンには別段燃えませんでしたので(本音)、その引き出しは覗いただけだったのです。
 第一、王家息女のみに触れる事、着用する事が許されている品ですし。


 紫色のリボンが入った引き出しを開けて、ガサゴソの中を調べますが、金縁の本は見つかりません。
(おっかしーな~……。本人以外触れられないところって、ここしかないと思うんだけと……)


 シックス君、シックス君、もしも、そこに本が隠されていたとしたら、人間達は絶対見つけていますよ。だって、王家とか関係ないですし。


(あ、そうか。単純にここに隠していたとしたら、人間は既に見つけているはずだ)


 そうですよ。


「う~……」
 相手がプー姫だけに、一筋縄ではいかない様子ですね。