『境目の約束』


「音ちゃん…」

川崎と中嶋が、棺に向かって呼び掛ける。

火葬場まで着いて行ける自信が無い。

灰になったあいつは、二度と抱き締められない…

「帰るぞ、川崎」

俺の言葉に、驚いたような顔をした。

「林さん、帰るって…!!」

中嶋や西川が険しい顔で、俺に何か言おうとしている。

「音ちゃん、雄二さんいてくれなくちゃ寂しがりますよ!?」

「そうですよ、雄二さん、最後まで見送ってやらないと…」

何故だか、苛ついた。

知らないだろう

分からないだろう