『境目の約束』


「音輝!!音輝起きろ!!俺を置いて、一人でどこ行くんだってんだよ、音輝!!」

出なかった涙が、堰を切ったように溢れ出た。

どうしようもない喪失感…音輝の存在の大きさが、今更分かるなんて


俺は、馬鹿だ


音輝はもう、笑わない。

俺がどれだけ抱き締めても、二度と笑わない。