『また…同じ夢か…』

あれから何年月日がたったか…幼かった僕たちは今じゃあ高校生、しかも卒業間近だ。
『しかし…まあ…何度目だよ…この夢見んの…はあ〜』
この夢を見るようになったのは理沙…幼なじみと逢わなくなってからだ。だからと言って、アニメや漫画なんかで良くある片側が引っ越したみたいな訳でもって事ではない。

…理沙が契約を破ったのだ。
それを気にお互い気まずくなり逢わなくなった。
後変わったと言えば…理沙が契約を破ってから直ぐにおまじないの木のあった公園は無くなった。何かの施設が建つらしく…今は砂利だらけだ。

『あの頃は良かったよな……って…未練がましい男だな俺…』
自分で言っても恥ずかしい事だが未練はある。当たり前だろ…ずっとずっと…。

『って…暗く考えんな俺!!』

自分の顔を数回、掌で打ち…暗い考えを頭から叩きだした。
今日は日曜日。
佑樹と出掛ける用事がある。

『さて…用意するか…』

そして…一日が始まる。
あの日の夢から覚めた俺の一日が。
新しい一日の……