仕方なく美葉と葉也を任され、龍太郎は修学旅行の面々を見送る事になる。

何やら生っ白い同級生の男子生徒と共にバスに乗り込む姉を見送り。

「じゃあね丹下くーん!」

手を振りながらバスの窓を閉めて。

「あいたっ!」

窓に指を挟んで痛がる千歳。

(ドジな奴…)

そんな風に龍太郎は思うが、そんな可愛らしいドジっ子属性程度では千歳を説明できない事を、彼はまだ知らない。

…さて、修学旅行の面々が去った後。

「仕方ねぇから俺らも校舎入っとくか」

「ん、そうだねぇ」

龍太郎の提案で三人は歩き出す。

「って校舎はこっちだ!何で校門出てくっ?」