「人外でも、龍を飼い慣らす事は難しいでおじゃるか…」

「あん?」

何の話か見えていない龍太郎にクルリと背を向け。

パッ!と鮮やかに扇を広げて優雅に扇ぎつつ、融は歩いていく。

「おい待て公家!まだ決着ついてねぇぞ!」

「ついておじゃる。そちの勝ちじゃ!」

「どこがだ!俺が一方的に転がされただけじゃねぇか!」

怒鳴る龍太郎に。

「これからは」

肩越しに融は顔を向ける。

「精気を吸う相手に恐怖を与えぬように善処してみるでおじゃる」