天神学園高等部の奇怪な面々Ⅸ

相手は凄腕の剣客だ。

慎重には慎重を期して。

ヤン男に近づくよりも気取られぬように気を遣って。

抜き足、差し足、忍びあ…。

と近づいていったにもかかわらず。

「どひぃいぃぃいぃっ!」

背を向けたままの翡翠は、静寂の鼻先に白刃を振り下ろす!

翡翠ほどの剣客にもなると、己の間合いに敵意を持った者が入るだけで、無意識のうちに抜刀してしまうのだ。

びっくりして静寂、思わず大量の吐血。

「む?」

その頃になって、やっと翡翠が静寂の存在に気づいた。

「どうした、そんなに血を吐いて。病気か?」

(あんたのせいだ殺人教師ぃいぃぃいぃっ!)