秋になり、少々冷たい風が屋上を吹き抜ける。

その屋上の一角。

御雷 静寂は白衣を纏い、両手をポケットに突っ込んだまま不敵に笑う。

何故三時間目の授業に出ないのかとか、そんな事だから留年するんだとか、そういうツッコミはしてはいけない。

彼は偉大なる人体力学者なのだ。

その偉大なる研究の成果の一つの形が、彼のポケットの中にある。

注射器に入れられた紫色の如何にも体に悪そうな薬品。

こんなものを持ち歩くとは、風紀委員会の持ち物検査はどうなっているのか。

彼は。

「ふふ…ふはははははははっ!」

高笑いを響かせながら。

「ぐはーっ!」

吐血した。