そんなやり取りを交わしていると。
「む」
翡翠の懐で電子音が鳴った。
懐に手を忍ばせ、携帯電話を取り出す。
通話ボタンを押すと。
『もしもしぃ?僕僕、こはくぅ』
可愛らしくも周囲にまで聞こえるほどの大きな声が携帯から響く。
「こはくか、どうした」
抑揚のない声で言う翡翠。
『どうしたじゃないよぉ、すーハンカチ持って行くの忘れたでしょお?』
「む」
『すー』とは自宅における翡翠の愛称らしい。
『もうぅ、すーは慌てんぼさんだなぁ、あとで届けに行ってあげるね。あ、それから美味しいおかずが出来たの、ついでにお弁当箱に詰めて持って行ってあげる。お昼は学校の屋上で一緒に食べようねぇ♪』
「む」
…丸聞こえの通話内容を聞きながら。
「誰だ?あの電話の相手」
龍太郎がヒソヒソ言うと。
「翡翠先生の奥様ですよ。結婚してしばらく経つというのにいまだ新婚気分のラブラブだそうです。君のような朴念仁の女心がわからないガサツで粗暴な野獣と違って、翡翠先生はああ見えてもモテるんです」
高成が毒舌たっぷりに説明を返した。
「む」
翡翠の懐で電子音が鳴った。
懐に手を忍ばせ、携帯電話を取り出す。
通話ボタンを押すと。
『もしもしぃ?僕僕、こはくぅ』
可愛らしくも周囲にまで聞こえるほどの大きな声が携帯から響く。
「こはくか、どうした」
抑揚のない声で言う翡翠。
『どうしたじゃないよぉ、すーハンカチ持って行くの忘れたでしょお?』
「む」
『すー』とは自宅における翡翠の愛称らしい。
『もうぅ、すーは慌てんぼさんだなぁ、あとで届けに行ってあげるね。あ、それから美味しいおかずが出来たの、ついでにお弁当箱に詰めて持って行ってあげる。お昼は学校の屋上で一緒に食べようねぇ♪』
「む」
…丸聞こえの通話内容を聞きながら。
「誰だ?あの電話の相手」
龍太郎がヒソヒソ言うと。
「翡翠先生の奥様ですよ。結婚してしばらく経つというのにいまだ新婚気分のラブラブだそうです。君のような朴念仁の女心がわからないガサツで粗暴な野獣と違って、翡翠先生はああ見えてもモテるんです」
高成が毒舌たっぷりに説明を返した。


