4月1日 カズヤ宅

23:36

部屋へ入るなり、張り詰めていた緊張の糸が切れた。

ここはいつもおれが普通に過ごしている部屋だ。

漫画は読みっぱなし、服は脱ぎっぱなし…

おれは朝起きたままの布団がめくれっぱなしのベッドに倒れ込んだ。


…疲れた…


ふと携帯を見ると、着信あり、受信メールありになっている。

ユイからか?


『カズヤ大丈夫?渋谷から少し離れてるから大丈夫だと思うけど、無事ならいったん連絡ちょうだいね 母』


おれは、

『大丈夫だよ』

とだけ打ち込み、送信した。


ユイに電話しようかどうか迷ったが、今日は大変だったね、といった簡単な内容とおやすみ、だけを入力しメールだけで済ませた。



長い4月1日が目を閉じることで終わる。

ただ、目を閉じることで明日になる。


明日以降は何が起きるのか?


次の日起きたら夢だったらいいなと思いつつおれは目を閉じた。