「…おせぇ。」 腕時計を見ながら、日向は何度目かわからないため息を吐く 約束の時間はとっくの昔に過ぎている 祐菜は何気抜けているところがあるけど、寝坊にしては遅すぎる気がする しかも生憎と携帯を忘れてしまい、万事休すだ 駅の時計に凭れながら、日向は目を瞑った 楽しそうに笑っている祐菜の顔が浮かぶ 早く 早く、会いたい 「日向っっ!!」