霧也の声に、俺はようやく我に帰る 「あ?」 「いや…何かすげぇ複雑そうな顔してたから…。」 複雑そうって…どんな顔だよ 「いや別に…あの集中力を学業で活かせる方法はないか考えてただけだ。」 「うわ、まるでアイツ等の保護者だな。」 「賢すぎて頭脳だけオッサン化してんじゃない?」 ヤベェ…最後の霧也の言葉が一番傷ついたぜ まぁ確かに、こんなん考えてるって…母親じゃあるまいし… いや…前の俺なら、こんなこと考えもしなかっただろうな 『アイツ』に…会うまでは… 「ちょっとええか?」