その人は、私を一度も見ずに雪乃にそう告げた。 「あ、えと…蕪木雪乃です。」 「やっぱあんたか。話は耳が腐るほど蓮から聞いてる。」 外見からは想像出来ないほど、言葉遣い悪いなこの人 けど、ほんと誰に似てるんだろ…? 「で、あんたが彼女の面倒臭いツレか。」 「はい?」 ちょっと待って 今何か、余計な言葉がついてなかったか? 「面倒臭い…?」 そう 確かにそう言った 「だってそうだろ?あんたが一緒に行きたいってダダこねたから、俺まで出勤するはめになったんだ。」