部屋に響いた高い声 その声に、私と『嵐蝶』の動きは止まる 「お願い…拓人には手を出さんといて…。」 震えるように絞り出した『舞姫』 俯いていた顔をあげれば、瞳には涙が溢れていた 「お前、何言って…。」 「ごめん拓人。やけど、これ以上私のせいで拓人が傷つくん見たくない。」 『舞姫』は立ち上がって 視線が交わった 「あんたの言う通り…。私は『舞姫』やない。喧嘩もできひん弱い人間や。」