「なっちゃん。お菓子、なにがいい?」


「ん?菓子?」


「うん。」


「そうだな。」



なっちゃんは、何かを考えてる様子。

こっちを見て、ニヤリと笑った。



な、なんか、嫌な予感しかしないんだけど。



「モモが食べたい。」


「モモ?ちょっとまってね。」


「違う。そっちじゃなくて、」


「じゃなくて?」



なっちゃんが立ちあがって、こっちに来た。

こっちに一歩近づくごとに、あたしは一歩後退。


「意味、わかんねーの?」


「え!?えーっと……。」



ついに、あたしの背中は、壁にぶつかってしまった。

顔の横には、なっちゃんの手。
完全に逃げられない状態。