「んじゃ、いろいろ持ってくっから、待ってろや。」
「玄関から入ってよね。」
「わーってるって。」
そう言って、なっちゃんは自分の部屋に戻って行った。
あー。迷惑だなー。
嫌じゃないけどさ、健全なる男女が一つ屋根の下で一晩過ごすって、危なくない?
噂では、なっちゃんって、結構遊んでるらしいし。
うーん・・・ヤバい、かな?
いや、手は出さないよね。
なっちゃんだもん。大丈夫。
いろいろ考えてるうちに、家のチャイムが鳴った。
「あら!ナツキくん!事情は聞いてるわよ。どうぞ上がって!ゆっくりしてってね!」
「あざーっす!おじゃまします!」
なっちゃんとお母さんは、とても仲がいい。
なっちゃんのお母さんも、うちのお母さんと仲がいい。
昔は、なっちゃんと私のお母さんが、同居してたっていってた。
それほど仲がいい二人は、無理言って隣同士に家を建てたってわけ。
「モモ!ナツキくんがきたわよ!」
「はーい!」
嫌々ながらも、1階へ行くことになった。
玄関で、大荷物抱えて立っているなっちゃん。
こっちを見て、ニヤリと笑った。
なにか企んでるに違いない。