翔くんだ。 「いいよ」 静かにドアが開き、翔くんが顔を覗かせた。 「話したいことがあってさ…」 「う、うん」 話したいこと? きっとさっきのだよね? あぁ!なんて言い訳すれば! 「那月に、負けたくなかったんだ…」 「え?」 なんの話? 「小さい頃からさ、俺、モモが好きだったんだよな。 那月がモモにべったりだったから、よくモモを泣かせたんだよな。ただの嫉妬。」