それは一つではなく、多数のものだった。
驚いて顔をあげると、あたしは数人の男たちに囲まれていた。
な、なんかやばい。
こんどこそは助けてくれるだろうとなっちゃんに視線を向けたが、未だにニヤニヤしている。
「なぁ、ねぇちゃん。名前は?」
「はひっ!?みづ…き……モモ…」
「かっわいい名前じゃん!な?俺らとあそぼうぜ?」
男の一人が、肩を組んできた。
き、気持ち悪いよ……
涙がでてきた。
なっちゃんはなんで助けてくれないの?
「なっちゃん。助けてよぉ…」
小さい声で呟いた。
すると、後方からドゴンッ!という音が聞こえてきた。
振り返ると、なっちゃんが男たちを殴り倒していた。