彼は何処までも淡白で孤高で、清らかで。 “愛してる”どころか優しい言葉の一つも言ってはくれない。 その綺麗な指で触れられたら、私は自分の弱さを思い知ってしまいそうで。 それなら。 嘘で塗り固めた愛にほだされ酔わされるよりは冷えきった声に刺されたい。 甘言に弄されるくらいなら何も言わない方が幸せな筈だ。 何も望まない。 望んではいけない。 ただ彼が隣に居てくれるだけでいい。 欲求は贋作だ。 そう思っていればいい。