怖いのは、普遍的な世界の住人たちではなく絶対的で不条理な彼女の神。


見捨てられたか、はたまた嫌われたか、あまりにも残酷すぎる事実はセラを逃避行へと誘った。



雪が降っているにも関わらず、裸足で、着ているのは雑巾にも劣るボロボロの布切れ一枚だった。



惨めで情けなくて、いっそこのまま駆け抜けた果てに獣の類になりはしまいかと願ったりもする。


残念なことに、そんなファンタジーの欠片もない非科学的な現象でさえ彼女を救いはしなかった。