「女性だから綺麗な場所で死にたいのは解るけどね、水の中なんていずれ身体に水がしみこんで腐乱してひどい状態になるよ。 美しいなんて言えたもんじゃないね。 なにより水が汚れるだろう、私的な事情で無関係な美を汚すのはよろしくないよね」 淡々とした口調は同情なんて微塵もなく、包み隠さず迷惑ぶった態度に悪怯れはない。 言い返す言葉もなくて、セラはただ無力に水に落ちた。 後ろ髪を引かれて抵抗できないまま、倒れていくかのように。