「さてと、俺っちでみんなゆっくりしたらもう帰んな。
もう遅いし。暗くなるし…。」

「えぇ~まだうちら来たばっかじゃあんっ!」

石上くんが言うと愛羅とゆっきが駄々をこねる。

「ほ~ら!コレ飲んだら帰った、帰った!!」

そんな3人を見てるとなんだかほほえましく思えた。


「んじゃ~私もう帰るね。夕斗にも早く本当の恋をしてもらわないとっ」


私が立ち上がると石上くんが、

「桐谷さんっ俺、送るよ。駅までだけどっ」

「いやぁ、いいよ。1人で帰れるし。送ってもらうの悪いし。」


それに、こう言ったけど付き合ってもないのに送ってもらうのは気が引けるから。

こんなこと誰かに見られたらそれこそ大事件につながると思う。


夕斗の彼女、、、まだ家にいるのかな?

いたら帰った後に言わないとっ


「んじゃ、バイバイ♬」




そう言って駅に向かって走り出した。
















「ただいまぁ~…」


おそるおそる玄関を開ける。

「はぁ…」

思わずため息が漏れる。まだ彼女の靴があったから。

時計を見ると午後6時。来たのは、午後1時だから結構家にいるんじゃない?

お母さんはいない。

不意にイヤな予感に囚われた。