berry cute

次の日、あたしが教室に入っても誰もおはようだなんて言ってくれない。



期待はしてないけどね。



そう思うと、やっぱりあたしは性格が悪い。



高校入ったら友達できると思ってた。



でも自分が変わろうとしてないのに高校で変わるわけがない。



とさっ



鞄をおくと同時にため息が漏れた。



その小さな音はもちろん誰の耳にも入らない。



……そう思ってた。



「何ため息ついてんだよ。」



こつん



あたまにげんこつをおかれ、とりあえず驚く。



女子の叫びにも似た歓声。



その人によってあたしの存在がやっと知られたってとこだ。



「え……あ…梶山先ぱ…」



「どこのクラスか分かんなかったっつの。1年に聞いても誰も知らないっつぅから、俺昨日幽霊でも見てたのかと思った。」




いや、多分それに近いかも!?



ってかむしろ当たり前ですし。



とにかく言葉が何も出てこない。



「梶山先輩!?え、何でここにいるんですか!?」



「やばいっ!!めちゃくちゃかっこいいー!!」



「ってかどういう関係!?」



なりやまない女子のかん高い声に他の男子はちょっと引き気味。



その反応の違いに笑いそうになるのを必死でこらえる。