berry cute

どれもこれも一緒。



何ら変わらない。



シチューのおいしさだって、今日が特別おいしいってわけじゃない。



いつも同じおいしさ。



あたしは刺激のない毎日に、最近嫌気が差していた。



何かおもしろいことないかなぁ。



ってかあたし何の努力もしてないのに刺激なんか来るわけないでしょ。



いつのまにかため息ばかりついている。



「……ごちそうさま。」



「あら、いらないの？」



静かにスプーンを皿に重ねる。



考えれば考えるほど頭痛がするようだ。



「……ん、お父さんと食べて。」



あたしはそっとほほえんで階段を上がった。



下からはあたしの食器を片付ける音。



ぼすっ



自分の部屋に戻るとベッドに倒れ込む。



いい調子に弾み、やがてきしむ音さえしなくなった。。



目を閉じると、もぞもぞと動く気配と柔らかな毛があたしのほほをくすぐる。



「龍之介ぇ。」



きゅっ



抱きしめると龍之介の温かな体温がとても心地いい。



地味なのもモテないのも、毎日が楽しくないのも全部自分のせいだ。



それを分かっているから余計にむなしい。