『いただきます』と言ってから、トーストをかじりつつ、テレビニュースの占いに視線を向ける。
『周りに居る誰かに、隠し事が知られてしまうかも‥』
11位という、何とも悪い順位と見比べながらコーヒーを一口飲む。
「"続いてはニュースです。
昨晩8時頃、帰宅途中の‥"」
テレビ画面を見つめ、アナウンサーの声を聞き流しながら、"隠し事"について考える。
‥‥隠し事、ね‥‥
鼻で溜め息を着いた後、空を見上げ、ぽつりと呟く。
『ま、気をつけるしかないよね』
朝の7時。
まだ快晴という天気に助けられ、少しポジティブになれたところで、空になった食器を片付ける。
学校へ行く為の準備をし、テレビの画面をOFFにする。
玄関へ行くと、思い出した様に傘を手に持った。
『‥行ってきます』