‥傘が邪魔‥‥


‥鞄が重い‥‥


しかし、捨てるわけにもいかず、焦れったさと共に走った。


角を曲がり、公園が視界に止まると、重い足が躊躇うような歩みに変わった。


走っていたためか、呼吸が荒い。


ゆっくりと公園の入口に辿り着くと、また、ゆっくりと公園の中へと視線を向けた。


電灯が点いていない事と天候から、上手く捉えることが出来ない。


身体ごと公園に向け、一歩近づく。

瞬間、空が光る。


『‥っ‥‥』


急いで駆け寄ると、そこには夢に現れた人が倒れていた。


『先輩!』