「早乙女さん、大丈夫?顔が真っ青だよ?」
『橘君‥?』
「うん、そうだけど。何か変な夢でも見た?」
『‥‥雨が降ってて、公園があって、人が倒れて、た‥』
‥倒れて、
違う、死んでた‥‥?
「そう、でも夢なんだろ?気にする事ないよ。悪い夢は良い事の前触れだって言うし」
『‥うん、ありがと』
励ましてくれる橘君に対し、微笑んではみるものの、気分は沈んだままだった。
なぜなら、私の見る夢は"正夢"だからだ。
授業が自習になる夢を見れば、その日の授業は自習になる。
雨が降る夢を見れば、その日は雨が降る。
私は実際に起こる未来を夢で見る事ができるのだ。