あたしは携帯を出そうと、鞄を開こうとした。 その時。 ――…キィィッ! 電車がいきなり止まって、バランスを崩したあたしはそのまま慣性の法則に習って倒れそうになった。 あたしの手は吊革から離れてしまった。 (やばっ……!) そう思ったのもつかの間。 あたしは倒れる事はなく、何かに包まれるような感覚を覚えた。 (え……) あたしは咄嗟に瞑ってしまった目を開けた。