「アンタは何がしたいの」
「別に。紅を俺の女にしたいだけ」
「言っとくけどあたし、男が大嫌いだから男の女になるなんてありえない」
あたしがそう言うと陸は一瞬、目を見開いて驚いた表情をした後、
「ふ~ん」
不敵に笑った。
「なに」
「そっちのがオトしがいがある」
「は?」
「言っただろ。“俺は積極的な女は嫌い”だって。男に興味ない女をオトすのって俺にとっちゃー、最高だ。お前みたいな女は初めてだからな」
「………」
「それに俺はどんなSМプレイにも耐えられる女が―――……」
「あたしそれ関係ない。SМプレイとかって分かんない」
あたしは無理やり起き上って、立ち上がった。

