「………」
「紅!ちょっといつからあんなイケメン君と知り合いだったのさ!」
「いや、知り合いじゃないし」
「知り合いじゃないのに名前呼び捨てで、しかも夜ごはん作りにくるだなんて言う?!」
「あいつがおかしいんだよ」
「いや、おかしくないって!……お、ちょっとこれは恋の予感がしますなぁ~」
杏がいきなりニヤニヤしてあたしを見て来た。
「やめてよ。あたし男嫌いだから」
「そう言う子に限ってわりと簡単に男にオトされちゃうんだよ~?しかもあんなイケメンでちょっと性格にSっ気があるあの人なら特にね」
「S?」
「うん。あのイケメンくん、絶対積極的な女の子が嫌いなタイプだね。奥手な女の子をあの手この手で攻め込んでくタイプだよ」
そういえば……
“俺は積極的な女は嫌い”とか言われたっけ。
「杏、アンタ何者?」
「杏様ですっ」
「………」

