「あれは紅のせいだよっ」




「いや杏でしょ?」



「いや紅でしょ?」




「あれは普通、砂糖でしょ?」



「あれは普通、塩でしょ?」



「え?」



「え?」




あたしと杏は昨日の夜ごはんの出来について、あたしの部屋で口論中。




結局、料理は失敗に終わって杏の別の友達に作ってもらった。





「あそこで紅が砂糖なんか入れてなければあんな風にはならなかったよ!」



「あそこで杏が塩なんか入れてなければあんな風にならなかった」




「あんなに甘くなったのは紅が砂糖を入れたからだよ!」




「でも後味はしょっぱかったよ。それは杏が塩をいれたからでしょ」