そしてあたしはいつから、“ツンちゃん”と言う名になったのだろう。
改名した覚えはない。
それに部屋を出て10秒も経たないでこいつと会う。
「何でアンタここにいんの」
「可愛い子を探しに来た」
なんて言って笑うこいつ。
腹立つ。男ってだけで胸くそ悪い。
「一人で?…はっ。寂しいね。友達まだ出来てないんだ?」
「いや、ダチならもうとっくに出来たよ。だけどそいつらがいると五月蝿くて女が逃げるから」
「あっそ。じゃ、あたしは関係ないね」
「何で?」
「だってあたしはアンタの探してる“可愛い子”じゃないから。“ツンちゃん”だから」
「俺の探してるその“可愛い子”が“ツンちゃん”なんだけど」
「………」
「思いのほか、早く見つかった」
「………」
「探す手間が省けたよ。…ツンちゃん?」

