「何?」
「杏、ツッコミ役イケるよ」
「え、本当?」
「うん。あたしボケやるから杏ツッコミやりなよ」
「え、マジで言ってる?!」
「冗談に決まってんじゃん」
「だよね」
あたしはリモコンの電池を入れてフタを閉めると、それを机に置いた。
「ねぇ、杏は自炊出来る?」
あたしはテレビを消してソファに座りながら杏に問いかけた。
「あたし料理した事ないー」
「だよね。あたしもない」
「え、紅料理出来そうな顔してるけど」
「それ錯覚」
「紅、料理が大好きそうな子に見えるんだけど」
「それ幻」
「紅ってすっごく可愛いよねっ」
「それ料理と関係ない」

