「何でリモコンがあんな事に…?」
杏が、あたしがさっき壊しかけたリモコンを指差しながら、床に散乱したリモコンとあたしを交互に見る。
「あー、ちょっとしくじった」
「しくじった?!しくじったって何を?!」
「しくじって投げた」
「しくじって投げた?!」
「しくじって投げたら電池が外れた」
「外れたって言うか、もうあれ壊れちゃってるんじゃないの?!ってかどんだけ強く投げつけたの?!」
「日々のうっ憤を晴らそうと」
「どんだけ、うっ憤溜まってんのさ!」
「毎日、雪のように積もってく」
「そんなに毎日嫌な事ばっかなの?!」
「うん」

