その笑い声でクラス中の皆と担任の視線があたしと杏に一斉に向けられた。 「す、すいません……」 口を押さえて笑いを堪えながら杏がそう言うと皆の視線は前に戻って、担任もまた話し始めた。 そして今度はあたにしか聞こえないくらい小声で、 「紅って面白いねっ」 笑顔で言った。 「え、そんな事言われたの初めてなんだけど」 「うん、面白いっ」 (…見た目と性格のギャップが凄い…) あたしの杏への第一印象はこれだった。