顔だけ後ろに向けると、いかにも“ギャルです”って感じの女の子が髪の毛を指でくるくるしながらあたしに微笑んでた。 髪色は栗色。 右耳だけにピアスをつけてる。 …不良だな。 「あなた名前なに?あたしは杏(あん)。宜しくね」 あれ、でも意外に性格は普通っぽい。 「あたしは紅(べに)。宜しく」 「ねね、一番前の席の男の子かっこよくない?!」 杏はあたしの右横の列の一番前を指差した。 「いや…別にかっこよくはないと思う」 「えぇ?!紅、アンタ目大丈夫?!」 「うん」