「君ってツンデレ?」
「は?」
男はあたしの前で立ち止まると、朝から一発意味不な言葉をかましやがった。
「あ、それともツンオンリー?」
「いやあの、何をおっしゃってるのか意味がさっぱり分からないんですけど」
「俺はツンデレより、ツンオンリーの方が好きだな」
「いやあのだから―――……」
「俺はね、」
あたしの言葉を遮ってそう言いかけると、あたしに更に近づいてきて、耳元で一言。
「積極的な女は嫌い。だからアンタみたいな性格の奴は俺の大好物」
そう言い残すと、「早くしないと入学式はじまっちゃうよ?」って笑って門をくぐってった。

