振り向くとそこには―――… 「さっき電車の中で会ったよね?」 さっきの“電車男(仮)”だった。 もう、ホント何なの。 神様はあたしをそんなに虐めたい訳? 今日のあたしの運勢どんだけ最悪なの。 「え、あたしアンタに会ってないですけど」 「いや、会ったよ?俺が優しく受け止めてあげたじゃん?」 そう言って、にっと笑うと、音楽プレイヤーを外してそれを鞄にしまって、こっちに歩み寄って来た。