「なんで凛は好きな人できないのかなー?」
って、そんなこと言われても・・・
「あ、あたしだって好きな人欲しいよ!?」
高校入学して1ヶ月経って
恋バナは聞くだけ状態のあたし、藤川凛(フジカワ リン)。
「可愛いくせに彼氏いたことないなんて!もったいない!」
・・・とか言ってるあたしの親友、宮野紗都(ミヤノ サト)。
紗都はちゃんと好きな人がいて、今イイ感じ。
あたしも、中学生の時に何回か告白された。
でも・・・人生初彼氏は、自分から好きになった人にするって決めてるから全部断った。
それなりに好きな人もいた。でも、曖昧なまま高校生になってしまった。
「あたしだって、好きな人欲しいよー・・・ってか、この会話何回目だろうね」
紗都とこんな会話を毎日のように繰り返している。
「あ!!!」
突然イスから立ち上がった紗都。
「凛!このあたしが、凛にぴったり合う人見つけてきてあげる!」
・・?
ちょっと一度では理解できないよ?
えーと・・・
紗都が、あたしの好きな人を探す・・・?
うん、普通に考えて変な話だよね?
「よし!決まり!じゃああたし探してくるから!!」
そう言って、紗都はすぐ教室を出て行ってしまった。
んーと・・・。
この状況、あたしの好きな人をあたしじゃない人が
探しに行くっていう不思議な・・・。
自分で自分の好きなタイプよくわかってないのに
紗都ちゃんにはわかるのかなー??
でも、あたしはもう待つしかないのか・・・。