本気の恋





なんだかぼーっとしてしまってる俺にイライラする。


とりあえず会社帰るか、



会議室を出て喫煙所で一服。

するとエレベーターの前に夏川と広田が来た。


出てきた方には自販機とベンチがあるちょっとしたスペースがあったはず。


タバコを揉み消しわざとらしくエレベーターに向かう、

が、


「平沢社長~っ」

2人の女社員が寄ってきた



「平沢社長が戻ってると聞いてとんできました!お疲れさまです♪」

「コーヒーよかったらどうぞっ」

わざわざスターバックスのコーヒーを買ってくれたみたいだが、見るからにブラック。



ふと視線を上げると夏川がこちらを見ていた。


「ありがとう、用があるから」

失礼するよ、と笑顔を浮かべると顔を赤くする二人。

眉をしかめる夏川…



「夏川さん?」


呼ばれるとは思ってなかったようで、びくっと肩をひきつった夏川と目が合った。


「は…ぃ」




「広田くんだね?先に会社へ戻りなさい。
夏川さんには秘書課から資料を預かっているから、ちょっと上のオフィスまで来てくれるかな?」


夏川は少しおどろいていたが、解りました、と頷いた。


「社長俺の事知って下さってたんすね♪嬉しいっす!

夏川の用事、すぐ終わりそうならエントランスで待ってます!
同期と話す機会がなくて、2ヶ月ぶりなんですよ」

なつっこく笑い、眉を下げていいですか?なんて聞いてくるが

俺には全く通用しない。


「新人に遊んでる暇はないだろ、
オフィスに戻れ。」


声のトーンが変わったのに気付いたのか、


「あー…すみません、

じゃあ夏川さん、また今度飲みにでも行こうか♪

じゃ、お先です。」


爽やかに去って行ったが、飲みに誘うな。


なんて思ってエレベーターに乗って扉が締まるまで見ていると、

「しゃ、社長?」

首をかしげる夏川と目が合った。


「とりあえず、オフィス行こう。」


俺、冷静になれ。