4つ並んだ席の右から2つめの男の人がニコニコしながら唯の方を見た


「おはようございます♪」



奥の二人はぺこっと会釈を返す


ん~??
4つしか席がないんだけど??


「ここどうぞ!」

挨拶を返した男の人が1番右の席に手をかけた


「あっどうも!失礼します。」


きれいな茶色の髪が無造作にセットされていて、ぱっちりと開く瞳がすごくなつっこい…






「俺、広田 悠真(ヒロタ ユウシン)!よろしくね。
年いくつなの?」

キラキラとした目で広田は唯を見た



「あたし夏川 唯です!
二十歳です、広田さんは…??」


「わっか~!
って言っても俺24♪」

ガチャ



広田がそう言うとドアが開き、誰か入ってきた



「えー……おはようございます。
今日は入社式という事で…」



うんたらかんたらとその人が話しだす


唯はさっと姿勢を正し、前を向いた





前に立っている男性は取締役の梶と言った


あれ~?
4人だけ??

う~ん…だめだっ
昨日遅くまで髪の毛いじってたから眠気が…っっ


ガチャ

「遅れてすまない」
「わっ」


いきなり開いたドアと声にびくっとしてつい声が出た



「す、すみませ/////」

小さくぺこっとするとぎゅっと手に力を込めてうつ向いた



「あー社長、挨拶の方お願いします」

梶が前の段から一歩下がった


「…あぁ、」



段に上がった社長は、スラッと背が高く、きれいにセットされた髪の毛が大人っぽかった


か、かっこいいかも…

なのにあたしってばはずかしいよっ



そっと社長の方を覗く唯にフっと笑いかけて社長が話しだした