「ねぇ紗和ってば!」
「何?」
「なんでそんなに怒ってるの?せっかく紗和が気になってる人と会えたのに。」
「違うよ!!気になってなんかない!ってかなんなのあの人!そっくりさんじゃないっつーの!!」
「なんだそんなことか。」
「そんなこと!?」
「だってそんなにからかわれるってことは興味持ってもらってるってことでしょ?」
「いや。絶対面白がってるだけだよあれは。」
うん、そう。絶対そう。なんであたし一回でもあの人のことかっこいいとか思っちゃたんだろう‥‥‥。あたし男を見る目ないのかな…。
「紗和がいいなら別にいいけど…恋は絶対なんかあると思うなぁ。」
「なんかって何?」
「別にぃ~~♪」
「???」
恋まで意味分かんないよ…。
帰ったらお兄ちゃんに問いただそう!

―――――――――――
「ただいまぁ。」
「おかえりー!」
んっ?お父さんとお母さんは海外赴任中でどっちもいないはずだし…この時間帯はお兄ちゃんもまだ帰ってきてないはず……それにお兄ちゃん、今日遅くなるっていってたんだけど……
いってたより早く帰ってこれたのかな………

「お兄ちゃん?今日早いんだね………!!!?」
「おかえりー」
なななななんでなんでここに!?
あたしの目の前には今あまり見たくない人がっ!!
「あのぉなんでここにいらっしゃるんでしょうか?ってかどうやって入って来たんですか!!!」
「君にようがあって。どうやってって玄関からフツーに?」
「なんのようですか!?」
なんか髪の短いあたしに怒ってる気分………
「ん~?それはねぇ♪」
「なんですかっ!」
「俺と付き合ってもらおうと思って。」
「そうですか…ってはあ!!?」
「だから俺と付き合ってもらおうと……」
「付き合うってなにに!?」
「恋人に」
「はあ!?」
なぜ急に!?
普通お互いをよく知ってから言うもんじゃないの!?
なにこの自由人!!!
「いやって言ってもダメだからね♪」
「なっ何ソレ!!ちょっとまっ…」
不意に唇に柔らかい感触が伝わる。