そうして入学式が始まった。
新入生の言葉とか校長先生の話とかが終わって在学生の言葉で…!?さっきの言葉の意味が分かった。
「在学生代表、生徒会長、大橋瞬綺」
こんなことってあるんだ……
私の目には信じられない光景が写っている。
世の中には似ている人が三人いるっていうけどこんなに似ている人は見たことがない。
驚きすぎて目を閉じることができていないあたしに、気づいたのか生徒会長の大橋先輩が壇上であたしに微笑んだ。
なんか顔が熱い…
あたし赤くなってる!?
同じ顔の人に!?

もうほんとに今日は訳がわからないよ…
「ねっ分かったでしょ!?」
「うん‥‥‥。」
ちょっと意地悪そうな笑顔を恋はあたしに向けた。

次の日、あたしは別教室に向かうために係で先に行った恋を追って、急ぎ足で別教室へ行った。
「…ッキャ!!!」
「イテッ!」
男の人の声!?
「すっすいませんっっ!!!」
ふと顔を見たら、見覚えのある………!!!
「大橋先輩!?すっすいませんっっ」
あたしは自分でも分かるほどアタフタしながらペコペコしていた。
きゃあ…はっ恥ずかしい…
「あっ!あの時の!!俺のそっくりさん!?」
えっ?そっくりさん?
「あっごっごめんね?失礼なこといって…」
「えっ?いえいえこちらこそすいませんでした!それじゃ急ぐので!」
あたしはまるでその場から逃げるように立ち去った。
あの人なんかすごいいい人だったなぁ…ぷっ。でも少し抜けてたなぁ…
「紗和?」
「えっ!?あっなに?」
「どうしたの?ずっとぼ~っとしてたよ?」
「ごめん。考え事してて」
「もしかして好きな人でもできた?」
「!?そっそんなわけないじゃん!!!」
顔を真っ赤にしながら応えてた………
「そこっ!!!うるさいぞ!」
先生にまで叱られちゃたよ…

でもあの人を気になってるのは事実だしなぁ…
「ねぇ、恋は生徒会長の大橋先輩のこと知ってる?」
今度は先生に聞こえないくらいの小声で喋った。