落ちた時、当たり前のようにドサッと音がして でも落ちたはずなのにちっとも痛くも痒くもなくて… あたしは誰かの腕の中に包まれていた。 「痛っ…」 目を開けると、綺麗な顔をした男の人がいて 安心する前に、また「危ない!」と今度は違う人に言われて ぎゅっと目を瞑ると、頭を守るように抱き締められて… 唇に柔らかい何かが当たった気がした。