「庵君、クッキー好きだと聞きまして…これ良かったら…」
「緑君、この週末のご予定は?」
「僕に?有難う!好きなんだクッキー。特にこういうの。」
「週末?気になってるお店があるんだけど…君さえ良ければ一緒にどうかな?」
よく耳を澄ませば兄達の声。
「…なんでみどりん?いおりん?」
私が?を浮かべれば横では、「さくらさん、お兄様をそう呼ばれてますのね?」「まぁ、素敵!」だなんて、なぜか頬を赤らめ恥ずかしそうに話すれいさんと君子さん。
それを「仲良しなんですのね!」って珍しくれいさんに変わってときめかせる雅さん。
「あの…そこじゃなくって、何であの二人がここに?」
そう、ここは生徒会仕様。
立ち入り禁止の校舎なのに、…緑に、庵、はたまた女の子達で賑わっている。
……、結構皆、約束とか守らないタイプなんだね………。
「まぁ、みどりんもいおりんも好奇心旺盛だし、ね?むしろ、校舎に立ち入っても悪いとか思ってないよね。」
うん、あの二人は真面目なところもあるけれど大部分はその真逆。
「二人なら何も怖くはない」なんていう言葉を聞いたことがある。
「さくらさん?緑君も庵君も生徒会役員ですわ!」
そんな事をさらっと言うれいさん。
またまた気付かされたことがありました。
二人は生徒会役員。
それも副会長だと言うではありませんか。
