「なんでいきなり…転校なの?」
「だって、」
「色々心配だから、ね?」
「……私高校生だよ?」
「やっぱね?お父さん、お母さんが忙しいとさ、僕ら兄が面倒みてやらなくちゃって思うわけよ。」
「だから、目の届く所にいさせたいなーって。兄心ってやつ?」
そう、お父さんもお母さんも各々会社の社長。
年中海外出張や、会議やらで家には年に数回しか帰っては来ないほど、忙しい。
だからと言って、いきなりの転校は、----------------ないだろう。
本来なら色々考えるのだろうが、
「まぁ、いっか。」
案外、色々ズボラな性格だったりする私。
深くは気にしない。
忙しい父母の代わりに、兄が面倒みてきてくれたことも確かだ。
それに、兄の通う学校が気になってたのもある。
そんな理由もあるから何だか転校もありかと受け止めてしまう。
「それにしてもさすがだね、学校?」
「そりゃぁ、一ノ瀬だからね」
「今までより快適な学校生活送れるんじゃないの」
どこかテンション高めな兄。
まぁ、年中こんな調子だけど。
というか、兄の学校生活だなんて、話もあまり聞かないし、想像がつかない。
妹ながら、制服姿…かっこいいな、なんて思ってみたり。
「でも、心配だから教室まで案内するよ? 」
こんな一面も嬉しかったりするから、普通なら嫌がるんだろうけど、
「有難う?」
素直に受け入れちゃうんだよね。
あぁ、たまに思う。
----------------ブラコンかもね?って。