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ピピピ。ピピピ。
すやすやと眠る少女の脇で目覚まし時計がなった。
「…もう、…5時…?」
そう言って目覚まし時計を止める。
「…え、………7時じゃんか……」
思考停止。
いや、それどころじゃない。
誰?7時に目覚ましセットしたの!
完璧遅刻じゃんか!
私の学校遠いいんだからっっっ!
慌てて起きて支度する。
メイクとか、ヘアーとか、
やりたいこと沢山あるのに…。
「おはよう?私今日朝食パスね!」
制服に着替え、リボンをつけながらリビングに入る。
「早いじゃん!」
「どうしたわけ?そんなに慌てて?」
リビングでは先に少女-さくらの双子の兄が朝食をとっていた。
「慌てるも何も今日遅刻しちゃう!」
そう言いながら、リビングに起きっぱなしの鞄をあさり、「時間割」と書かれた表を出すと教科書を確認し始めた。
「遅刻じゃないでしょ?」
「むしろ、今行ったら早い方だよ?」
「何を言うか馬鹿いおりん!」
一瞬だけ、鞄から目をそらし双子の片割れ、庵をみた。
「さくらこそ、寝惚けてる?」
「だーかーらー、遅刻しちゃうの!」
次は片割れ、緑を見て言う。
「みどりん、その辺りに現代文ない?」
今日の一限目は現代文。
しかし、遅刻しそうな時に限って教科書が見当たらない。