海「くっそぉー!!
拓也のバカヤロー!!!」


と、いつの間にか拓也を下の名前で呼びだした海斗が嘆(ナゲ)いていた。


海「何でだっ!
何でアイツがっ!
アイツがっ……




詩音ちゃんと前後なんだよぉ~!」


席に着いて以来ずっと机に俯せていた彰が鬱陶し気に海斗を睨んだがそれに気付いていない海斗。

彰と海斗の席は廊下側で
彰は後から2番目。
海斗は彰の斜め前の席。


海「なぁなぁ彰ぁ?
ひょっとしてコレって……

“オレ”と“詩音ちゃん”の
【恋の試練】ってヤツなのかな?☆」


と、瞳をキラキラ光らせている海斗を彰は凄く冷めた目で見ていた。
そして


彰「んな訳ねぇだろバ海斗が。
そんなんだから“バ海斗”っつわれんだよ」


と声のトーンを下げて海斗の言葉を一刀両断する。


海「う"ぅ……彰クンが冷たいよぉ~」


“それにバ海斗って呼ぶの彰だけだし”と小声で呟き体育座りをしながら泣き真似をし始めた海斗。



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