あたしは今日も学校が終わって
帰りの準備をしてたとき

美夢に、今日放課後話せないか聞かれた。


「うん?全然いいよ。藤堂来るの4時だし」


こうやって美夢が放課後話したいことがあるときは、決まって絶対なにかあるとき。


――――――――――――


「あのね…」

「うん…?」

誰もいなくなった教室で
美夢とふたりっきり。

藤堂待つ、時間潰しにもなるし
美夢に感謝だ。


「あたしね、、彼氏ができたんだっ」

「えっ」

「びっくりした?びっくりした?」


そりゃびっくりしたよ
だって、あんなに可愛い美夢が学校でモテないはずがない。

あたしは何回も美夢が告白されてるのを知ってる。
だけど、そのたびに断っていたのに。
相手は誰…?


「びっくりしたよっ!で、で?相手は誰?どんな人なの?あたしが知ってる人?」

「まぁまぁまぁまぁ!全部話すから♪…那奈魅が知ってる人。…このクラスの人!」

「…ぇえーーっ」

ますますびっくりだ。
このクラスだなんてっ


「誰よ?教えてよ〜早くっ」

「え、えっとね…誰にも言わないでよ?……辻くんだよっ」

「えっ、ほんとにっ?」

辻くんはクラスでも影が薄いと言うか…物静かな人?
でも、そんなとこがクールなのかなんなのか。
学校で中々のモテ男。女には興味がないと思っていたけど…まさか。


「…で?どっちから告白したの」

「辻くんからだよっ」



……それからあたしは
長々と美夢の話に付き合わされることになって。


学校を出たのは5時を過ぎていた。